その推定患者数は30万人超とも言われ、実際に来院していない層を含めると、5人に1人は水虫にかかっているとも言われています。さらに、近年の女性の進出や、ブーツを履くケースが増えたことにより、女性の水虫も増加しています。 女性の場合、とても気にされるため、来院されるケースが多いそうですが、男性の場合、気恥ずかしさもあってか、なかなか足が向かないようです。しかし、悪化すると日常生活に支障をきたすレベルに陥る可能性があるため、できるだけ早めの治療が必要です。 この水虫の中でも、爪に感染する爪水虫について今回はご紹介いたします。
爪水虫(爪白癬)とは、爪の間に白癬菌が増殖し、爪自体が白癬菌に感染した状態となっている症状です。 では、まず爪水虫にかかるとどのような症状が発症するのか見てみましょう。 初期症状としては写真のように爪の先が白く濁ってきますが、自覚症状はありません。次第に爪の色が黄色白色調に変色し、爪の厚みが肥大化してきます。最終的には爪は黒色に変色し、肥大化した爪の下がボロボロと崩れていきます。それがまた隣の爪に感染し、どんどんと足の指全体に広がってしまいます。そして、肥大化した爪が靴にあたり、歩けないほどにまでなることもあります。 治療としては、抗真菌薬による投薬治療と爪水虫になったいる爪の間に抗真菌剤の塗り薬を私用しての治療法があり、内服、外用併用して治療することが完治への一番の近道となります。特に肥大化した爪には外用薬が効きにくくなっているため、内服薬によって内から治すことが必要となります。
ここまでは、皮膚科医による処方についてご紹介いたしました。では、フスフレーガーにはどういった治療の助けができるのでしょうか。それは、肥大化した爪を薄くし、白癬菌に侵された爪を取り除いてあげることです。 前述しましたように、肥大化した爪には外用薬があまり浸透せず効果が上がらないことがあります。そのため、フスフレーゲの技術で爪を通常の厚さにまで薄く削ることが重要となります。また、白癬菌に侵された爪は他の爪への感染の媒体となってしまうため、感染防止のためにも白癬菌に侵された部分は取り除いてしまうことが望ましいです。これは肉眼的にもインパクトが強いため、患者自身もこの状態を維持しようとするモチベーションアップにもつながります。
ただ、フスフレーガーが行う上での注意事項が何点かあります。 ①爪を短く切りすぎたり、薄く削りすぎたりしないこと。 これはもちろん逆効果となり、短く切りすぎた爪は巻き爪になるリスクが上がります。 ②人工爪など処置後のケア 白癬菌に侵された爪を取り除くこと自体、痛みはありませんが、その部分が大きければ大きいほど、その指の爪としての機能は、新しく生えそろうまで失われることになります。人工爪での補強など、しかるべき次の一手がある状態で行う必要があります。 ③担当の皮膚科医の指示に従うこと。 当たり前のことですが、フスフレーガーは医師ではありません。自らの判断で診断することは禁物です。水虫が疑われるお客様が来られた時は、まずしかるべき病院にかかることをおすすめしてください。 ④感染予防 白癬菌は感染します。施術を行うフスフレーガー自身も自分の身を守るため、しっかりとゴーグル、マスク、手袋を装着して施術に臨みましょう。 最後に、患者の家族にも感染予防と治療促進の為、出来るだけの協力と理解を求めましょう。 治療は患者一人でするものでなく、家族一丸となって取り組む必要があります。医師、フスフレーガー、患者、家族それぞれが理解し合い、協力することで、また健康的な足を取り戻すことができるのです。 参考文献 外来ですぐできる足にやさしいフットケア 参考サイト 公益社団法人日本皮膚科学会